DW / 制作スケッチ / 医療者向け

解離をどう疑い、どう関わるか

医療者の対応とグラウンディングを、3Dの診察室で見る。

独立した専門家による内容監査は未実施

架空の成人と医療者による118秒の教育動画です。変化への気づき、身体評価、本人の体験の確認、空間の中での関わりを描いています。

動画 v2 / 説明資料 v1 · 更新・出典確認:2026年9月8日

01 0:00–0:08

変化に気づく。見た目だけで決めない

映像では:会話と手の動きが途切れ、視線が一点にとどまる。返答まで間があく。

これらは非特異的な変化であり、解離を確定する所見ではありません。「いつもと違う」と気づき、反応や状況を確かめるきっかけとして描いています。

解離を考えるときは、観察所見だけでなく、本人の体験、経過、周囲の状況を合わせて評価します。

VA:PTSDの解離型・評価 / VA:Dissociative Subtype of PTSD Scale

02 0:08–0:17

急な反応低下では、身体評価を優先する

映像では:医療者が名乗って声をかけ、反応を確かめる。

解離の既往があっても、急な反応低下を解離と決めつけません。呼吸・循環・意識・血糖などを確認し、低酸素、低灌流、低血糖、薬剤の影響などを考えます。必要な応援・救急対応を優先します。

映像の項目は身体評価の要点です。身体診察や蘇生手技を実演する教材ではなく、必要な評価・対応をこの声かけだけで済ませる趣旨ではありません。

Resuscitation Council UK:ABCDE Approach

03 0:17–0:29

本人の体験を、短く確かめる

映像では:「今、どんな感じですか?」に、「部屋が遠く感じます」「自分の体じゃないみたいです」と答える。

周囲が現実でないように感じる、自分の体や自分自身から離れているように感じる、といった体験を確認します。必要に応じて、気づきや記憶の途切れ、薬物や眠気などの影響も評価します。

台詞は理解を助ける架空の例です。答えを誘導する質問文や正式な尺度の日本語訳ではありません。会話や見当識が保たれていることだけで、解離を除外しません。

VA:PTSDの解離型・評価 / VA:Dissociative Subtype of PTSD Scale

04 0:29–0:54

見える位置から近づき、予告して待つ

映像では:部屋を斜め上から見渡し、出口との位置関係を確認する。医療者は座る前に尋ね、本人のうなずきを待って着座する。

本人に見える位置から、ゆっくり近づきます。急に触れたり囲んだりせず、出口をふさがない位置を選びます。誰が、どこで、何をするかを短く伝えます。

距離や角度に一律の正解はありません。本人の反応や希望、診療の必要性に合わせます。目線の高さを近づけることと、目を合わせるよう強いることは別です。

通常の関わりでは説明して返事を待ち、断れることを大切にします。救命処置を同意の確認のために遅らせる趣旨ではありません。

VA:PTSDのある人への関わり / Mind:PTSDのある人を支える / Resuscitation Council UK:ABCDE Approach

05 0:54–1:26

今いる場所の、具体的な感覚を一つ

映像では:本人が青いカップへ顔を向け、本人側の視点に切り替わる。続いて足元を映し、自分でかかとを床へ下ろす。

「部屋の中に見えるものを、一つ教えてもらえますか?」と尋ね、色や形を一緒に確かめます。多くの課題を一度に求めず、本人が取り組めそうなものから選びます。

床との接触を確かめる方法も選択肢です。「よければ」と提案し、本人が自分で動かせるようにします。体に注意を向けることが、かえってつらい人もいます。

VA:PTSDのある人への関わり / Mind:PTSDのある人を支える

06 1:26–1:48

つらくなったら、中止して選び直す

映像では:本人が手を上げてつらさを伝える。医療者は手を下ろして「では、やめましょう」と応じ、カップを見る方法を提案する。

不快感やつらさが増す場合、そのグラウンディングを中止・変更し、状態を見直します。全部をやり切る必要はありません。できそうな方法を本人と相談します。

返答がないことを単に拒否とみなしたり、必要な身体評価まで中止したりしません。グラウンディングへの反応は、解離であることの証明にはなりません。

VA:PTSDのある人への関わり / Resuscitation Council UK:ABCDE Approach

07 1:48–1:58

希望する関わりを確認し、次の支援へ

映像では:「次は、どう関わってほしいですか?」と尋ねる。

役立った方法、つらくなった方法、次回の声かけや距離の希望を確認します。既存の対応計画があれば、それも踏まえて調整します。

グラウンディングは補助的な対処です。症状の評価・治療や継続的な支援につなげます。映像の進行時間や架空の応答は、効果や回復までの時間を保証しません。

VA:PTSDのある人への関わり / Mind:PTSDのある人を支える

出典と、この教材の位置づけ

以下の公開本文を2026年9月8日に確認。資料が動画の順序や演出全体を検証・推奨しているという意味ではありません。

  1. VA:PTSDの解離型・評価

    離人感・現実感消失を本人に尋ねる評価。

  2. VA:Dissociative Subtype of PTSD Scale

    現実感、気づき・記憶の途切れと、薬物・眠気等の文脈。急性場面の診断チェックリストではない。

  3. Resuscitation Council UK:ABCDE Approach

    急な反応低下に対する身体評価、血糖、必要な応援要請。

  4. VA:PTSDのある人への関わり

    動作の予告、出口、感覚への問いかけ、悪化時の中止。原資料には警察官向けの文脈があり、病院の統一手順として転用していない。

  5. Mind:PTSDのある人を支える

    急な動き・囲み・無断の接触を避け、本人のペースを尊重する。

解離の診断手順や、全員が同じ順番で行う治療プロトコルではありません。個別の診断・治療・緊急性判断を代替しません。

人物・会話・部屋は架空です。恐怖体験の再現、点滅、画面の揺れ、強い警告音は用いていません。

背景となる資料と、この教材自体の有効性・安全性の検証は別です。教材の学習効果、独立した人間の専門家による監査、対象者による評価は未検証です。

動画の会話・説明字幕

1分58秒。日本語字幕と小さな効果音付き。ナレーションはありません。

  1. 0:00–0:04

    観察:会話や手の動きが、途中で止まる。

  2. 0:04–0:08

    観察:視線が一点にとどまり、返答まで間があく。

  3. 0:08–0:12

    医療者:看護師の○○です。聞こえていますか?

  4. 0:12–0:17

    身体評価:急な反応低下は、身体評価を優先。呼吸・循環・意識・血糖など

  5. 0:17–0:22

    医療者:今、どんな感じですか?

  6. 0:22–0:26

    本人:部屋が遠く感じます…

  7. 0:26–0:29

    本人:自分の体じゃないみたいです。

  8. 0:29–0:35

    位置と距離:本人に見える位置から。急に触れず、出口をふさがない。

  9. 0:35–0:41

    医療者:ここは診察室です。そばでお話をうかがいます。

  10. 0:41–0:46

    医療者:ここに座っても、いいですか?

  11. 0:46–0:49

    待つ:返事を待つ。断ることも大切に。

  12. 0:49–0:54

    目線の高さ:目線の高さを近づける。目を合わせるよう強要しない。

  13. 0:54–1:01

    医療者:部屋の中に見えるものを、一つ教えてもらえますか?

  14. 1:01–1:06

    本人:青いカップ。

  15. 1:06–1:11

    医療者:青いカップですね。

  16. 1:11–1:15

    今、ここ:色や形を、今ここで確かめる。

  17. 1:15–1:20

    医療者:よければ、足が床に触れる感じを確かめてみますか?

  18. 1:20–1:26

    本人の動き:本人が、自分で足を下ろす。

  19. 1:26–1:31

    本人:足に意識を向けると、つらいです。

  20. 1:31–1:36

    医療者:では、やめましょう。

  21. 1:36–1:42

    医療者:カップを見る方法に戻るのは、どうですか?

  22. 1:42–1:48

    本人:そちらなら、できそうです。

  23. 1:48–1:53

    医療者:次は、どう関わってほしいですか?

  24. 1:53–1:58

    次の支援へ:役立つ方法は、人それぞれ。中止・調整し、評価と治療につなぐ。